Fate


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いつも親切にしてくれる日系2世 Japanese Canadian のおじさん。
彼がどのようにここカナダで生きてきたか、折りに触れて断片的には耳にしてきたが
ここへきて、すべての点と点が線で結ばれた。

詳細は割愛するが、やはり転機となったのは、日本軍による真珠湾攻撃。
逃げるように一家で日本に引き揚げたわずか数年後、生活に馴染めず
両親や数多い兄弟とも別れて彼だけ独りカナダに戻ってきて以来、天涯孤独の人生。
その時点でわずか7歳。その後、両親にも兄弟たちにも会えぬまま、みな亡くなってしまったという。

いつもの明るい笑顔の裏に隠された事実。
日本に帰ろうと思えば帰れたあの日。日本行きのエアチケットが使われることは無かった。
日本で公開捜査が行われたという。それでも、かたくなに連絡をとらなかったそうだ。
残酷なまでに歴史に翻弄された事実。その後、自分でカナダに残る意思を固めた事実。

それでも彼は、いまなお日本人だ。
日本人としてのアイデンティティは、しっかりと自身の内に根づいていると感じる。
当時はまわりに日本人が居なかったため、日本語を独学。
私と出会った2年前と比べると、今なお上達し続けていることに驚く。


海を渡って出稼ぎにきた日本人鉄道労働者が巻き込まれたカナダ史上最悪の雪崩事故。
日本人犠牲者32名が埋葬されているマウンテン・ビュー墓地の話をしたら
ぜひ連れて行ってほしい、と頼まれた。
ちょうどおじさんの父親の年代と重なる犠牲者たち。
お墓のまわりを何度も何度も歩いてまわりながら、何かを呟いていた。。。
胸にくるもの、感じるものが、彼にはあったのだろう。


おじさんが、日本人学生を街で見つけると、ほっておけないというその気持ち。
次から次へと世話を焼いてくれ、私財を投げ打ってまで親切を尽くしてくれるその気持ち。

カナダで、日本人として生きていきたい、と願うおじさん。
明るい性格だからか、背負っている悲しい運命を微塵も感じさせないけれど。
私にできることは、和食の作り方を教え、日本語の正しい使い方、言いまわしを教え、
何より、カナダに住む日本人の友達たち、カナダに遊びにくる友達たちを
おじさんに紹介して楽しい時を一緒に過ごすこと。

「 You には殺されるよ!笑」 とは、心配性のおじさんの口癖。
でも楽しそうだから、ま、いっか!(笑)

バンクーバーの街角で、日本人学生に怪しい関西弁版ルー語で話しかけるオジサンが居たら、
それは紛れもなく、このおじさんです!会話を楽しんでみてください!


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by yuru-life | 2010-09-03 12:43 | Life  

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