Sun Singer


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心が折れてしまった時、元気になりたい時、聴きたい曲がある。
この音楽に、何度救われたことだろう。

出逢いは、まだ学生の頃。
アーティストを知らぬまま応募してラッキーなことに当選。
ハガキを握りしめながら友達を誘って向かった、箱根彫刻の森美術館。
野外コンサートだった。

Paul Winter  ソプラノ・サックス・プレイヤー

キーボードとタール(Perc)とのトリオで初めて聴いた彼の音楽に
ものすごい衝撃を受けたことを昨日のことのように覚えている。
パンチのきいたロックでも、繊細かつ流麗なクラシックでもない。
ジャズ、ボサノバ、ニューエイジ、ウエスタン、ケルト・・・
そのスタイルは多岐にわたるワールド・ミュージックだ。

夕陽が沈む、(たしか)夏の夕刻。芝生の上にちょこんと座り
心地良い音の渦と風に身をまかせながら、メロウな時を存分に楽しんだ。
なんかこう、素直に、シンプルに、心にストンと響いてきたのだ。


この人のサックスの音色は、誰にも真似できないものだろう。
グランドキャニオンをボートで下りながら大自然の中で演奏したり
ザトウクジラや狼、丹頂鶴の鳴き声と共演したり
自然界とのコラボレーションをテーマに活動を続ける元気なおじいちゃん。

♪ Sun Singer

夏の夕陽に照らされて聴いたこの曲の奥深さ、美しさ。
その時にもらったCDを持ちだして、
誰もいない湖のカヌーの上でよくかけていたことを思い出す。
自然に包まれながら。夕陽を見ながら。心に染みて、涙が出そうになったことも。


それから約10年後、Paul を招聘し、コンサートを作るという夢を実現させた。
彼について知っている人などまわりに誰も居なかったところからのスタート。
彼に会いにニューヨークに行き、リサーチ。
ボスを口説き落とし、同僚を洗脳し(笑)、友人たちも巻き込んでゼロから創り上げた。
ただひたすら、「聴いてくれればわかるから」と言いながら。

コンサートの冒頭、Paul の提案で、
このSun Singer を照明を落とした客席内でソロで演奏してもらった。
その、天に昇るかのようにどこまでも透明で瑞々しいサックスの音色に
1300人のお客さんたちと一緒に、私まで背筋をゾクっとさせながら酔いしれた。


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いいものは、いい。
それを人に伝えて、その感動をシェアすることが大好き。

のべ数百本の公演を作ってきたが、このコンサートは私の中で特別な思い入れがある。
あの時、箱根に行かなければ、彼にも彼の音楽にも出逢っていなかったはず。
そして、今でも思い返すだけで自分に元気をくれるこんなストーリーも生まれていなかった。
だから、いつも上を向いていなきゃダメだ!と自分にカツを入れ直すのである。
苦しい時こそ、聴きたくなる。そして、心が洗われて、ちょこっと元気が出る。


ちなみに、このコンサート以後、
毎年欠かさず、私の誕生日の朝一番にBirthday Message を贈ってくれるのは
彼のマネージャーさんである(笑)。
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by yuru-life | 2010-06-06 22:55 | Life  

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