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Volunteering!

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わかる人にはわかる、バンクーバーのデンジャラス・ゾーン。
チャイナタウンと隣り合う Main St. と W Hastings St. の交差点付近が最も危険地帯で、とにかくホームレスとドラッグ中毒者で道はあふれかえり、真昼間っから目が朦朧としてフラフラしてる人たちがいっぱい。手には注射器。足元を見れば、道路には使用済みの注射器が散乱。
朝から晩まで、本当に異様な光景が繰り広げられる場所。

女性の一人歩きなんて、たとえ日中であってももってのほか!カメラを向けるのももちろん憚られるし(コンデジが精いっぱい)、いつ自分に向かって注射器をブチってやられるかわからない恐ろしさ。
すぐそこに警察署があるのに、完全に無法地帯なのだ。
私はバンクーバーに来たばかりの頃、その交差点で信号待ちしていた時、目の前で逮捕劇を見てしまった。何がどうなったのかよくわからなかったが、ここはヤバイってことだけはわかった。
もちろんガイドブックにも注意書きがあるほどなので、旅行者は近づかない方がいいエリア。
世界で一番住みやすい街バンクーバーにも、こんな危険地帯がある。

で、私、その一番ヤバイ交差点からたった1ブロックの教会で、ボランティアを頼まれた。
そこは、言ってみればホームレスのシェルター。教会は24時間オープンしており、ホームレスに寝る場所、食事、生活用品その他を提供している。
実はこのあたり、そういった人たちを保護する教会やセンターが多いエリアなのだ。
当然、ドラッグ中毒者も出入りするし、嫌な噂は絶えない。

なんだか、カルチャーショックだった。
教会前にはうつろな目でたむろすたくさんの人々。
そんな人たちをかきわけ、教会内のオフィスに行くまでに鍵を何個も開け、セキュリティがつく。
このセキュリティの男性たちも、時々ホームレスだったりするらしい。
ランチは、彼らに支給されるものを、彼らが食堂に入ってくる前に私たちボランディアが頂く。
もちろん時間差だ。でも、この間は私たちが食堂に行くのが遅くなってしまって、ホームレスの人たちの行列がどどどーっとなだれ込んで来るのとタイミングが一緒になってしまった。
でも、意外なほど、みんな人懐っこく話しかけてくる。
こちらはビクビクしているが、そんなに怖がる必要もないのだな、とその時、思った。

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ランチは日替わり。けっこう美味しいのだ。この日はカレー。

初めてボランティアに行った日。ランチを食べていたら、目の前にアップライト・ピアノ。
その日も食べるのが遅くなったので、大勢の彼らとともに食堂にいた。ガヤガヤうるさい。
ついつい、弾きたくなった。
弾いちゃおうかなーと思っていたら、スススーっとピアノの前に座った40代くらいの男性。
ジャズ弾き。べらぼうに上手かった。ホテルのラウンジやクラブで弾いていたのかなと思うくらい。
食い入るように聴き入る私に気づき、弾きながら、この音が出ないんだよって素振りとウィンク。
そうだねぇ、と私。
どんどん転調していって、よくやく弾き終わったら、拍手喝采!すばらしい!ミニライブだった。

こちらのホームレスたち、生まれながらにして貧しい人も多いと聞く。
借金や家族から逃れようと自らホームレスの道を選んだ人も多いのかもしれないが、それ以上に貧しい生まれの人もいるのだ。
更生施設よりもこういったシェルターがたくさん、ドラッグを止めさせるどころか注射器の使いまわしによるHIV感染を避けるために政府が注射器を無料配布したりだとか、一見、悪を助長させてしまうだけのように見えるこういった政策の裏には、私たちが計り知れない事情が見え隠れする。

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さて、私がこの教会でしている仕事とは、、、Thrift Shop (古着屋)の開店準備。
教会が店を持ち、その売り上げを運営資金にまわすのだ(と思う)。
古着はもちろん、ドネーション(寄付)。私も着なくなった洋服や生活用品などをこういったショップに持ち込んでいるが、カナダでは不用品は捨てずにリサイクリングが徹底している。

先週、めでたくこのショップがオープンした。
洋服を選別し、ビンテージもののジーンズなどに詳しくなる日々が続いている(笑)。
危険なのでレジには立てないが、カナダのディープな場所でディープなことをしている自分が、なんだかちょっぴり逞しく感じる今日この頃。

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by yuru-life | 2009-07-17 03:02 | Life  

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